「私が高校三年ぐらいのときに、うちの近くのすごい高い団地で高校生同士の飛び降り心中があったの。
それがけっこう新聞をにぎわしててさ。若いときの死というのをすごく感じたのね。
(中略)
だけど、自分でやるって思ったことは一度もないよ。でもするとしたら、ガスでもないし、
睡眠薬でもないし、飛び降りだなって思ってるわけ。
実は死についての歌が今までに「ひこうき雲」入れて四つぐらいあるの。
この飛び降りの事件がパッと耳に入ったときに、思い出したことがあるのよ。
小学校のときの同級生の男の子に、筋ジストロフィーの男の子がいたわけ。(後略)
(中略)
その子が高校一年のときに死んだの。お葬式に呼ばれて行ったら、写真が、もう知らない写真になってるわけよ。(後略)
それでそのことがけっこうインパクトがあってつくった歌が「ひこうき雲」って歌。
高校の終わりか大学の頭に作ったのよ。
話はちょっと変わって、飛び降り自殺なんだけどさ。(後略)」
『ルージュの伝言』角川書店、1983年 より 引用。
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